春はスギとヒノキ、夏はイネ科、秋はブタクサなど、1年を通して花粉に悩まされる現代社会。
症状を緩和するために空気清浄機を導入する人も多いですが、せっかく買ったのに全く効かないなんて話をよく耳にします。
でも、それは当然の話です。空気清浄機は空気を綺麗にする機械であり、部屋を綺麗にしてくれる機械ではないからです。
空気清浄機の本当の効果

例えば⇧の空気清浄機は、英国アレルギー協会の「花粉低減製品」の認定を受けています。Amazonでも売れ筋ランキングNo.1(2023/3/20時点)で大人気。『空気中』に浮遊する花粉やハウスダストを減らす効果は確かにあります。
ですが、あくまでも効果を発揮するのは『空気中』だけです。
- 花粉やハウスダストの住処は空気中でなく、床の上やカーペットの中が本拠地(圧倒的)
- 床やカーペットではアレル物質(ほこり)が日々発生していき、空気清浄機が吸い込むペースでは全く追い付かない
- 空気清浄機は部屋の空気を循環させてアレル物質を吸い込むが、吸い込む量より舞い上げてしまう量の方が多い(逆効果)
要は、空気清浄機は床やカーペットに花粉がない状態で使うのであれば完璧なまでに空気を綺麗にしてくれますが、そんな状態は製品検査の実験室内だけです。
現実には床などに花粉が溜まっている状態で使い始めることになり、空気清浄機だけで花粉症を解消することはまず不可能です。
床やカーペットに溜まった花粉を『自動で』取り除くには?

⇧床やカーペットを自動で綺麗にしてくれるロボット掃除機。一般的な掃除機より価格が高いものの、毎日こつこつ掃除してくれるので花粉やハウスダストの蓄積を防げます。
空気清浄機単体よりもロボット掃除機単体の方が圧倒的に花粉症対策になります。
0.1Lのゴミを集めるに必要な時間 | 1か月の掃除能力 | |
空気清浄機 | 720時間(1か月) | 24時間運転しても× |
ロボット掃除機 | 1時間 | 毎日こつこつで◎ |
一般的な掃除機 | 5分 | 毎週2回で◎ |
ロボット掃除機=一般的な掃除機(毎週2回)の清掃能力に匹敵し、それ以上に花粉症状が出にくくなるメリットがあります。
掃除をした日 | 掃除をしなかった日 | 平均すると | |
ロボット掃除機 | アレル物質少ない | – | 少ない |
一般的な掃除機 | 極めて少ない | 少し多い | 少ない |
- 鼻炎は体内のアレル物質が一定量を超えると症状が出る
- 一般的な掃除機では掃除をしなかった日に室内のアレル物質が多くなる
- ロボット掃除機は毎日こつこつ掃除するので、室内のアレル物質量の増減が小さくて週2回の掃除より症状が出にくい
もちろん、毎日一般的な掃除機でキレイにすることが『最強』ですが、手間も時間もかかります。
だからこそロボット掃除機が人気であり、花粉症対策としておすすめなのでもあります。
ロボット掃除機を使わずに『簡単にキレイにする』方法は?
フローリングの床
『ウェットタイプ』のシートとクイックルワイパーを使うことで、あのダイソンと比較しても負けないレベルで綺麗&時短で掃除できます(シートには乾拭きタイプもありますが、ウェットタイプの方が花粉などの微細なゴミを確実に除去できます)。
絨毯(じゅうたん)やラグ

極論に聞こえるかもしれませんが、絨毯やラグは撤去することが花粉症対策においては最も効果を発揮します。
- 絨毯やラグはアレル物質最大の生産地
- ダイソンでさえ一度の掃除では生地の奥まで吸い取り切れない(1cm以上の厚みがある場合)
床をフローリングに戻して毎日クイックルワイパーでアレル物質を取り除けば、低コストで強力な花粉症対策ができます。
とは言え絨毯やラグは大事なインテリアであり、楽な姿勢で過ごしたり冷え性対策になったりもします。
- 手間と時間をかけても良い⇒一般的な掃除機で掃除
- 手間と時間を節約したい⇒ロボット掃除機でお任せ掃除
どちらかで花粉症対策をするしかありません。
なお、ころころ転がしてゴミを取る掃除アイテムはカーペット表面のゴミ取りには優れていますが、細い毛の奥のアレル物質は取り除けません。除去するには『根こそぎ拭う』か『奥まで吸引する』かのどちらかが必須です。
空気清浄機は何のためにある?

「清浄」と名が付いているので、ものすごく花粉にも強そうなイメージがありますが、1~2万円程度で買えてしまう機械で「劇的」な効果は期待できません。
- メイン機能は消臭効果(ペットとの暮らしに便利)
- 部屋全体を効率よく加湿(※加湿機能付きモデルのみ)
- 特に加湿機能は優秀で、スポット加湿器と違い床や壁が濡れる心配がなく、遠くに置いても潤してくれるので就寝時でも運転音が気になりません
湿度は60~70%を維持すると病気になりづらく、肌にストレスも与えません。花粉も床に落ちやすくなるので、吸い込む量を減らす効果も多少あります。
体感できる効果は加湿器としての性能がメインになってしまいますが、加湿や消臭が目当てであれば金額分の仕事はきちんとこなしてくれます。
花粉症対策におすすめのロボット掃除機
1人暮らし用
パナソニックの『ルーロ ミニ』
☆音を抑えるモード付きで、壁が薄い部屋でも使いやすい!(ペットも安心)
☆落下防止、衝突防止機能もあり、お任せで家中キレイ!
Amazonで35920円(2023/3/21時点)で販売されているパナソニックの人気モデル。
形がかわいい▽型で、部屋の隅までブラシを伸ばしてキレイにしてくれます。
フロア面積が20畳までであれば、これ1台でフローリングもカーペットもキレイにして鼻炎の緩和に役立ちます。
Ankerの『ユーフィ』
☆大容量バッテリー搭載で、広い間取りもキレイに!(最大100分稼働)
☆保証も18か月+無料会員登録で6か月=最大24か月!
Amazonで19990円(2023/3/21時点)で販売されており、初めてのロボット掃除機として人気が高いモデルです。
スマホのアプリで掃除のスケジュール管理ができるので、仕事などの外出中に部屋を綺麗にしておける優れモノ。価格が安くてもAnkerというメーカーと18か月以上の保証の長さのおかげで品質の良さに期待できます。コスパ◎。
広い間取り用
『自動充電』機能付き
☆バッテリーが少なくなると自分で充電スタンドに接続!
☆吸引力10倍!(ルンバ600シリーズと比較して)
ロボット掃除機はただでさえ掃除の手間を減らしてくれますが、自動充電システムがあるともう本当に手間なしで楽!
高性能なのに35400円で手に入るので(Amazonにて。2023/4/12時点)、新生活を始める人にぜひおすすめの機種となってきます。
『自動ゴミ捨て』機能付き
☆充電も自動!
☆吸引力10倍!(ルンバ600シリーズと比較して)
ゴミ捨ても充電も自動という恐ろしいまでに便利なロボット。
手間の掛からなさではNo.1。価格は89800円(2023/3/21Amazon)しますが、掃除の手間と時間を節約できるメリットの方が大きくておすすめです。まさにお掃除革命。
『自動水拭き』機能付き
☆部屋の間取りを覚えて効率的に掃除!
☆落としたイヤホンや電源ケーブルを回避するセンサー付き!
☆大きなタイヤで段差もらくらく!
もちろん自動充電や自動ゴミ捨て機能も付いているので、手間なしに加えて最高にクリーンな室内環境を整えることができます。
特に水拭きは微細な花粉やハウスダストをしっかり取り除いてくれるので、花粉症対策の観点からするともっとも効果を発揮するモデルとなります。
布団や毛布をキレイにしたい場合
残念ながら布団や毛布を自動でキレイにしてくれる機械はまだ製品化されていません。
その代わり、手動であれば極限までアレル物質を取り除ける製品はあります。
⇧ダイソンの布団専用アタッチメントが付属するモデル。
ダイソンの圧倒的な吸引力で、花粉はもちろん、ダニが生きていようが死んでいようが根こそぎ吸い込みます。重くて音もうるさいですが、吸引力に全振りのダイソンだからこそもっとも鼻炎の解消に役立ちます。
なお、ロボット掃除機にもダイソン製がありますが、ロボット掃除機は毎日こつこつ部屋をキレイにしてくれるので1度に全てを吸い取るパワーは必要ありません。価格と音の大きさの問題から、ロボット掃除機はアイロボット製の方がおすすめです。
話は戻るけれど花粉症対策でおすすめの空気清浄機は?
空気清浄機で花粉症は緩和できないので、高いダイキンやパナソニック製を買わず、安いシャープや日立から選んで出費を抑えて、浮いたお金をロボット掃除機に回す方が確実に効果があります。
特にシャープは消臭効果(プラズマクラスターが非常に優秀)が抜群なので、1番のおすすめは冒頭でもチラリと紹介した⇩のモデルです。
消臭空間は23畳。加湿空間は木造和室で8.5畳/プレハブ洋室14畳で17800円(Amazon2023/3/21)
⇩消臭空間34畳/加湿空間・和室15畳・洋室24畳まで対応で31480円(Amazon2023/3/21)
⇧おしゃれなデザインの日立製。23980円で消臭空間42畳/加湿空間・和室13.5畳・洋室22畳(Amazon2023/3/21)
まとめ
花粉症対策で重要なのは『室内にあるアレル物質をどれだけ取り除けるか』に尽きます。
空気清浄機では床やカーペットにあるアレル物質を取り除けません。クイックルワイパーや一般的な掃除機やロボット掃除機を使って蓄積の根源をキレイにして、そうして初めて空気清浄機は空間をキレイにできます。
空気清浄機に過度な期待はせず予算を抑えて、床をキレイにすることにお金を使いましょう。
繰り言ですが、鼻炎を緩和するには室内にあるアレル物質を取り除くことが重要です。